2026年5月26日
リコーの前田大輔がAI(人工知能)を用いたデータ分析・機械学習の国際的なコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」において2025年11月18日から2026年1月31日にかけて開催された「Santa 2025 - Christmas Tree Packing Challenge」でGoldメダルを獲得しました。
本コンペティションでは、形や大きさが同じクリスマスツリーの図形がランダムに配置された状態から、各クリスマスツリーの配置を最適化し、小さな正方形にどれだけ重ならないように詰められるかが競われました。対象となるのは、クリスマスツリーの本数が1本の場合から200本の場合までの計200問で、それぞれについて最適な配置を求める問題です。
前田は社外のエンジニア4名とともに参加し、3,357チーム中10位となりました。
前田らは、ツリーの本数によって有効なアプローチが変わる点に着目しました。本数が少ない場合は、本数ごとに位置や角度を個別に最適化できるため、探索をいかに高速に回せるかが重要になります。一方、本数が多い場合は、探索空間が膨大になるため、個々のツリーを一つずつ最適化するだけでは限界があります。そのため、面積効率の高い基本パターンを活用し、全体を構造的に配置することでスコアの改善につなげました。
前田は当初、一人でコンペに取り組み、金メダル圏内の順位を維持していました。しかし、今回のコンペでは解くべき問題が200問あり、ツリーの本数や配置条件によって有効なアプローチが異なります。たとえば、本数の大小や、効率のよい基本パターンに対して余りが出る場合、その余りの出方によって追加のツリーの配置方法が変わるため、適した戦略も異なります。そのため、一人で継続的に改善を重ねることに難しさも感じていました。
そうした中で、Kaggle Grandmasterを含む上位参加者からチームマージの招待を受けました。高い実績を持つ参加者と一緒に取り組むことで、自分だけでは得られない知見や、上位常連の参加者がどのように問題へ向き合っているのかを学べると考え、コラボレーションに参加しました。
意見交換は主にSlack(仕事のやりとりを集約・整理できるチャットツール)で行いました。チームマージを行ったのは比較的コンペ終盤だったため、解法を一から一緒に考えるというよりも、各自がそれまでに突き詰めてきた手法や高スコアの配置データ、改善の方向性を持ち寄り、相互に比較・検証する形でした。各メンバーの解法がどのような結果になるのかを観察できたことは、自身のアプローチを見直すうえでも有益でした。
チームとして特にうまく機能したのは、もともと各メンバーが異なる解法やアプローチを持っていたことです。たとえば、計算の高速化に注力し、大量の計算を並列に実行して多数の候補を探索する人、有望な候補を効率よく絞り込む探索手法を得意とする人、本数が多いケースに対して全体の配置パターンを構造的に考える人、それぞれの強みが異なっていました。
今回のコンペでは、ツリーの本数や配置条件によって有効な戦略が変わるため、単一の解法だけで全体を高い水準まで改善するのは困難でした。こうした多様なアプローチを組み合わせることで、幅広いケースに対応できたことが、チームとして高いパフォーマンスを発揮できた要因でした。
リコーは、グローバル各地域の顧客との共創を通じて、競争優位性や差別化につながるワークプレイスを提供するインテグレーターを目指しています。その実現に向けて、AIは、ワークプレイスの生産性向上や創造性の発揮を支える中核的な技術の一つと位置付けています。